ジュエリービジネスプロデューサー 佐藤善久です。
ノーベル1.0Aを使ったプラチナダイヤモンドジュエリー製作
XYZプリンティングの光造形3Dプリンター ノーベル1.0Aを使い実際にジュエリービジネスになるのか?
ノーベル1.0Aは324,000円と光造形タイプとしては低価格プリンター
ジュエリー業界でも出力サービスをしている会社は 3Dシステムズのプロジェット3500(1000万円超)や ソリッドスケイプ社の800万円くらいする業務用と呼ばれるカテゴリーの3Dプリンターを導入したりしています。
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秘密基地に鎮座する ノーベル1.0AとUVキュアリング
それに対してノーベル1.0Aは324,000円 価格としては相当な開きがあり、ジュエリーの様な小さく細かいものの3Dプリントができるか不安に思う方もいらっしゃることでしょう。
今回は 先日実際にプラチナのダイヤモンドリングを作った例を挙げて順を追って公開します。
今回は 奥様へのプレゼントで指輪をオーダーしたいというお客様のオーダーにノーベル1.0Aを使いました。
まずは お客様の好みや予算に合わせて ジュエリーを3Dでデザインするところから始まります。
今回オーダーくださった山田ご夫妻 ↑
ジュエリー向け3D-CAD JCAD3を使いデザイン ↓
この3Dデータを利用し 完成予想図を作成 しかもバーチャル試着も。
レンダリングは nStyler
弊社のiPhone/iPad 無料バーチャル試着アプリ DigitalJewelryを使いバーチャル試着でデザインを確認。
さらにWEB上で360度確認 ↓↓ 廻せます。
このような確認後 デザイン・価格がOKなら製造過程に移ります。
まずは XYZware_Nobelを使い STLデータを3Dプリンタ用に変換
そしてこのデータをノーベル1.0Aに送り造形開始
完成すると ビルトテーブルにぶら下る感じで出来上がります。
今回は2個同時に出力しました。 ↓
出来上がったものを 洗浄して UVキュアリングで2次硬化させて固めます。
ここまでは秘密基地で行い、ここから先はパートナーのジュエリー工場での作業になります。
まずレジンリングからゴム型を作りWAXを取り出します。
ゴム型 ↑
右の緑がかったものがWAXです。
プラチナの場合 これをキャスト(鋳造) してプラチナにします。
(K18やシルバー925の場合は レジンをそのまま鋳造することも可能です。)
キャスト(鋳造) してプラチナの枠になったもの。
これ↑は すでにダイヤを石留出来るように磨いてある状態です。
この後ダイヤを石留し 最終仕上げ・検品して完成
その完成品がこちら ↓
このように ノーベル1.0Aを使い きちんと商用のジュエリーの製作も可能です。
お客様から送られてきた 奥様が実際に身に着けている写真 ↓↓
また デザインによっては プロジェットやソリッドスケープのようなサポートが溶剤で溶けるものが良いものもあるので ノーベル1.0A 一台でなんでもOKと言うわけではありません。
これはノーベル1.0Aに限ったことでなく 光造形とサポートの関係からくるもので形式がこれなら100万の3Dプリンターでも同じことです。
また どの3Dプリンターでも レジンは消耗品ですしレジンタンクやVATと呼ばれるレジンを入れる容器のフィルムは劣化し白くなり造形ができなくなるのでこれまた消耗品。
この消耗品の値段も3Dプリンターメーカーで変わりますが、べらぼうに大差がない。
あるとすると 本体価格です。
こちらは安ければ 導入しやすいですし、利益にもなりやすい。
先のプロジェットは業務用の良いプリンターですが、導入すると1000万以上かかります。
それを償却するのに 一体いくら売れれば元とれるのか?
その点 ノーベル1.0Aは個人事業主や 小規模小売店のジュエリーリフォームで導入しても コストが見合いますね。
ノーベル1.0の発表の時にジュエリーデータのサンプルを協力させていただいてから XYZプリンティングさんとは仲良くさせていただいています。
真ん中 サイモン・シェン社長 左 佐藤善久
ジュエリーでの3Dプリンター導入のご相談にも力になれますし、まず 3D-CADをやってみたいという方も ぜひ お問い合わせください。 zen@djf.co.jp